設立趣旨

縄文アイヌ研究会 設立趣意書

 近年の核DNA研究の結果からアイヌが縄文人の遺伝子を70%も保持していることが明らかになりました。アイヌが北方民族であるとする意見も多くありましたが、アイヌは縄文人の直系の子孫であることが明らかになったのです。
 また、縄文人並びにアイヌが、日本列島の住民として最古の人々の直接の子孫であり、核DNAの系統樹では縄文人とアイヌは同じクラスター(枝)に位置することも分かりました。さらには、縄文人は東ユーラシア人の祖先集団であることも解明されました。
 アイヌの技術や文化は、縄文人のそれを色濃く残し、アイヌ語を通すと縄文語地名の意味が理解できるのです。当研究会ではアイヌを通して縄文時代の日本、そして世界の古代史を解明することに取り組んでまいります。実は、アイヌは縄文の解読だけではなく、世界の古代史に通じる部分もあり、アイヌ伝承ではそれを類推させる話が残っているのです。
 これまでの常識とはまったく違うため直ぐには信じられないかも知れませんが、世界の古代文明を築いたのは縄文人であり、各地の古代遺跡からは縄文土器をはじめ縄文の遺物が出土しているのです。日本の縄文人が世界の古代文明を築いていったことも、力強く拡散してまいります。
 そこで、この研究に共鳴できる方を賛同者として募ってまいります。より多くの方々とこの価値観を共有させて頂きたいと存じます。縄文アイヌの世界をご一緒に探求してまいりましょう。


アイヌ伝承

アイヌは風に乗って世界中どこへでも飛んでゆくことができた。
遠くでなにが起きているのかも知ることができた。
世界中、どこであってもウェンカムイ(悪い神)に苦しめられている人がいると、
飛んで行って救った。
そして、世界中のあちこちで「娘を嫁にやる。ここに住んでくれ」と頼まれ、
世界中に住み着いて、子孫を残した。
だから、日本にはもちろん、世界中にアイヌ語の地名がある。

砂沢クラ著「ク スクップ オルシペ 私の一代の話」(福武書店)より

注:アイヌ語の「アイヌ」とは「人」という意味である。つまりここで言う神代の「アイヌ」とは「神代日本人」のことであり、それは『夷』のことである。また、最近の核DNA解析により、縄文人そしてアイヌが、東ユーラシア人の創始集団の直系の子孫であることが指摘されており、アイヌ伝承の一端が正しいことが証明されている。